ずるい









東方司令部司令官であるロイ・マスタング大佐が廊下を歩いていると、
前方から見知った金髪金目に赤いコートの少年、
エドワード・エルリックが歩いてくるのが見えた。
数か月ぶりだ。

「やぁ、鋼の」

いつものようにイヤな顔をされ、
憎まれ口がくるだろうと予想しながら声をかけるが、
予想外に満面の笑顔を向けられる。


こっ…これはとうとう私の積年の想いが通じたのか…!

そんなことを考えているとエドが小走りにこちらに近づいてきた。

腕を伸ばして抱き留めようとした瞬間
















すかっ…













見事な風切り音が鳴った。



………ん?










「うわっ、あぶねーなエド」

背後で部下の声がした。

「久しぶり!ハボック少尉!」

エドの弾んだ声もする。


まさか……。

ぎぎぎっと首を廻して金と赤の通り過ぎた先を目で追う。
と、そこには、部下の首に腕を廻しているエドと、
それを抱き留める部下…
という予想通りだが、
脳が想像するのを頑なに拒否した光景が繰り広げられていた…。



「久しぶりだなー。2週間ぶりくらいか?今度はどこに行ってたんだ?」

「今回は……」


何故だ…。
何故私の鋼のが、ハボックと…。
おまけに2週間ぶりっ!?
私は数か月ぶりに逢ったというのにっ!!
まさか私のところには寄らずにハボックとだけ逢っていたのかっ!?

脳内がパニックを起こしている。
がっくりとヒザをつき、
もはや二人の会話も聞こえていない。


「今回はどれくらいいるんだ?」

「んー。図書館で調べたいことがあるから、それが済むまでかな。
欲しい資料が図書館のどこにあるか分かんないから一週間くらいはいるかな」

「そうか。んじゃあ、その間、ウチ泊まるか?」

「いいの?アルも一緒に?」

「あたりまえだろう」

「やったぁ。サンキュー少尉っ!」






首に抱きつき直して頬にチューとかしている…。





私の…






私のっ……








私も……







私もされたいっ!






「ずるいぞハボックっ!」



「「はい?」」









どうやら、あまりのショックに
少々間違った方向に吹っ切ってしまったようだ。










終わり?



今回も大佐がおかしいですね。  

多分続きます。  
更新は遅いと思いますが  
読みたいといってくださった方もいるので、  
頑張ります。  


ロイエドの大佐はそんなにおかしくないのに  
ハボエドになるととたんにおかしくなるのはなぜだろう。  
2004/7/17