LUCKY STRIKE 2
昼下がりの東方司令部。
少し遅めの昼食の後、一服しようと最近見つけたお気に入りの場所で木に背中を預ける。
カチンと小気味のよい音を立ててジッポをしまう。
最近気づくとLUCKY STRIKEを買っている自分がいて笑えてくる。
同僚の餞別だったコレに、いったい自分は何の意味をもたせようとしているのか。
幸運はストライキ中という自己確認なのか、はたまた今回の転属は大当たりだと思いたいのか。
転属から3ヶ月、大当たりとまでは言えないが、今までを考えると後者だろう。
今回の部下たちにもそれなりに慕われているし、同僚とも打ち解けてきた。上官も、同僚にも部下にも街の人間にも好かれているようだと思う。実は現在とても忙しいのに逃げ出すからという理由で司令室に副官の監視付きで篭っている為、あまり交流が無い。というか逃げ出すってなんだ。
今回、自分の上官になる人物は軍内ではかなりの有名人だ。
イシュバールの英雄…若くして国家錬金術師の資格を有し、イシュバールの内乱で彼があげた功績は計り知れない。
20代の若さで大佐の地位に着いたのは、いくら国家錬金術師の資格をとった時点で少佐の地位を得たといっても、それだけで片付けるにはいささか早すぎる出世だろう。
軍という、実力がモノをいう組織においても、年功序列とうものは確実に存在するわけで。
元上官も『あんな若造が』とぶつぶつ洩らしていた。
確かにこつこつと賄賂を贈り続け、40過ぎてやっと大佐の地位まで登ってきたというのに、自分の半分と少ししか生きていないような人間に同じ地位に就かれるのはさぞ気に入らないことだろう。
軍という組織の特に士官学校を出ている人間には年功序列を重んじる傾向が強い。
だが、歳を重ねるということが経験を重ねるということと同義の場合を年功序列と呼ぶのであって、士官学校を出たあと、大した実戦を経験することもなく、もしかしたら軍人でありながら人一人自分の手で殺したことの無いような(無論、殺せと命令したことはあるだろうが)そんな人間が年齢と勤続年数と賄賂と媚びを売ることだけで手に入れた地位に並んだからという理由で妬まれてもいい迷惑だよなぁイシュバールの英雄も。
あぁ、ついでに顔がよくて軍部の女性、街の女性問わずモテるらしいから、そっち絡みでの怨み辛みも多いのかもしれない。彼女を取られた軍人も数知れずだと、ウワサ好きの同僚は教えてくれた。
ついでにオマエも彼女ができたら気をつけろよとの忠告もいただいた。
肝に銘じておこう。
そこまで考えるうちに短くなったタバコを携帯灰皿に押し付ける。
と、背後の茂みがガサっと動いた。
このあたりは普段ほとんど人気が無いというのに、いったい誰がと振り向くと、今の今まで自分の思考を占めていた上官が茂みから現れた。
いったいどうしてそんなところからでてくるのだろう。
確か、自分が休憩に入る前に、鷹の目の副官が追加分の書類を持って司令室に行かなかっただろうか?ということは少なくとも昼休憩ということはなさそうで。
「…ハボック少尉」
目が合うと真剣な顔で名前を呼ばれた。
あ、なんかちょっと嫌な予感がする。
が、だからといって逃げるわけにもいかない。
「なんでしょう大佐」
敬礼して答える。
「休憩中か?」
「えぇ」
嫌な予感がする。
「一人だな」
「そうですが…?」
すごく嫌な予感がする。
「…では、ハボック少尉、二つほど命令を聞きたまえ」
この手の嫌な予感は外れたことがないのだけれど、上官からの命令を聞かないわけにはいかない。
「yes、sir」
NEXT
続き
短いです。
でも、長いの書くと飽きて進まないことが判明したんだ(さわやかに微笑む)
捏造もいいとこですが、この話は捏造に捏造を重ねてさらに続きます。
2005/04/10
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