夢 【SIDE:R】
夜半過ぎ、
ロイは何か声が聞こえた気がして目を醒ました。
「鋼の?」
隣で眠るエドに声をかけるが返事はない。
気のせいかと思い、
再び眠りにつこうとしてエドの様子がおかしいことに気付く。
月明かりにも眉根が寄せられ、
うなされているのが見て取れる。
「………っ!」
声にならない叫びと共に伸ばされた手を思わず捉まえると、
強く握りしめられた。
ロイが強く握り返すと安心したように笑みを浮かべる。
その笑みにつられて抱き締めると穏やかになっていく寝息に安堵した。
ロイは自分ももベッドに横になり、
腕のなかにすっぽりと収まってしまうエドを抱き締め直して思う。
この小さな身体の中にどれほどの痛みを抱えているのかと。
この小さな身体で笑って前へ進もうとする強さはどこにあるのだろうかと。
そう。
この腕の中の小さな身体は、
明日も笑うのだろう。
明日も瞳の奥に痛みを隠すのだろう。
そして、
弟と二人きり、
前へ進んでいくのだろう。
私は共には走れないから。
私は私の目指す先へ走っていかねばならないから。
ならばせめて、
今だけでも、
ぬくもりを伝えたい。
たとえひとときでも…
痛みが和らぐように。
終わり
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SIDE:Eに続きます。
2004/7/17
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